大リザード殺し

砂浜を歩いていると大リザードがいた。それはちょっとしたウミガメ程度の大きさの、むくむくと肥ったトカゲである。大リザードは砂の上をのそのそと這って、こちらに近寄ってきたので、すかさず僕はポケットから大きなナイフを取り出し、その生き物の脳天に刃を突き刺した。

ナイフが大リザードの頭を貫通するとき、何か重く固いものを潰すようなプチっという感触があって、それが妙に快かったので、同じように頭のあちこちを刺し貫いてみたのだが、その感触は最初の一度きりだった。そのあと、背中や脚を同じように貫いてみたが、やはり手ごたえはなかった。あたりの砂は血の色に濡れていて、全身穴だらけになった大リザードはもう動かなかった。