日記

午後4時過ぎ、パソコンを起動する気分になれずに、カーテンを開け放って窓に土曜日の午後の夕方の空を映し出して、それを眺めながら、ほかに何もせずにただコーヒーを飲んだ。音楽も聞かず本も読まない。でも本は読んだ。片岡義男の本にあった、紅茶の話が読み返したくなって、本棚から『コーヒーもう一杯』という本を引っ張り出してきたのだった。自分で作る紅茶をおいしく飲むためだけに、外へ出かけていくという短い話。

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"……自分だけの熱い紅茶に唇をつけて飲むとき、いつも必ず素敵な風が吹くのは、なぜだろう。"

このお話は、一人称のエッセイとして書かれてはいるが、あるいはフィクションなのかもしれないけれども、しかしこういう一人きりの豊かな愉快な時間の過ごし方を知っている人は、尊敬できる。片岡義男はそういうエッセイをいくつか書いていて、そういうのを見つけるために一時期、片岡義男のエッセイ集を買いあさっていた。

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