SND『Makesnd Cassette』

 

ハードオフ新下関店のジャンクCDコーナーで見つけて購入した。一時期そうやってアートワークだけを頼りに安いCDを買いあさっていたことがある。そうして見つけた中でおそらく最良のもの。

メロディーとか劇的な展開とか流麗なハーモニーといった要素はない。抽象的でミニマルなパターンが少しずつ変化しながら繰り返される。リズムと音色のほかには何もない。繊細に編まれた騒音といった感じ。
狭くて小さい清潔な部屋にロボットが数台集まって寡黙に演奏している、そんなイメージ。呼吸も脈拍も熱もない。人類が滅びた後、機械に支配された世界に鳴り響く音像のよう。それは音楽でありながらどこか音楽に反抗している。音楽など聴きたくない、といった気分のときに聴くための音楽でもある。

僕はこのアーティストに強く影響を受けている。(ブログ記事『角砂糖空間』は、その影響のもとに書かれた。)

 

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