私はいつも使っている机を横断しました。その大きな、広大な、幅200cmもある机(それはシングル・ベッドと同じサイズをしているのです!)にのっかり、いつも椅子を置いているほうとは反対側へ、まるで太平洋を泳いで横断するような覚悟で乗り越え、机の反対側へ、つまり机と壁の間にある、ごく狭いスペースに落ちた。
椅子を運んできて、普段とは反対側から、机に向かいます。購入して以来、その机はずっと部屋の同じ位置にあり、向きを変えたこともないので、反対側からそれと向き合うのははじめてでした。もっともその机は長方形の板に脚を四本取り付けただけのもので、本来前も後ろもないのですが、普段向かい合っている方向が机の正面だと僕は決めつけていたのです。

見た目も機能も何も変わらないのに、背後から向き合うと机がなぜかひどくよそよそしく、ほとんど別の物体のように感じられた。ノート・パソコンを机の上に置き、仕事にとりかかろうとしたが、まるで集中できず、霊感は沸き起こることなく、思いやアイデアは欠片となって空中に散逸した。