だんだん暗くなる部屋で

長い楽曲の前半は光を描写するかのようなきらきらした音に満ちているが、そのうちにだんだんダークな音色が暗雲のように立ち込めてきて、やがてはノイズで埋め尽くされた破壊的なパートに移行する。それも過ぎてしまうと最後にはひときわ静かなパートが訪れ、そして音楽はそのまま消え入るように終わる。

その間、窓の外の空はゆっくりと紫から黒に変わっていった。いつの間にか眠ってしまっていたらしく、気が付いたときには最終盤の静謐なコーダに差し掛かるところだった。目覚めたばかりのあやふやな意識に、その柔らかな、滑らかなハーモニーは、まさしく天上の音楽のように響いて、ほとんど涙を流しそうだった。