嫉妬から自由になる

個人的な目標を発見したとき、僕は自分が嫉妬しなくなっていることに気づいた。その目標とはある個人的な願望のようなもので、それは僕という人間からごく自然に生じた、僕という人間にとってのみふさわしい、僕にとってのみ重要な願望であり、したがってこの世で僕という人間だけしか、それを実現させる可能性を持たない。他人がどんなに優秀でも、裕福で、境遇に恵まれ、才能にあふれていたとしても、そうしたことは僕の願望とは何の関係もない。そのことに気づいて、それで嫉妬したりうらやましがったりすることがなくなったのだと思う。

僕はもともと他人の目をひどく気にする人間で、嫉妬とか羨望といった感情に苦しめられることも少なくなかった。だからそうした感情がなくなっているのに気づいたとき、最初は戸惑い、何かの間違いではないかとも思った。でもその願望を抱いてから結構な月日が過ぎた今でも、基本的に僕はめったに嫉妬や羨望を覚えない。それは人生に起こった割と良い変化である。