眠る人と幽霊

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眠れないときには幽霊が来る。首元がスースーするから、来てることがわかる。振り返りたくなるけど、でも振り返ったところで、何もいないし何も見えないのはわかっているから、動かずじっとしている。夏だと涼しくてよく眠れる。でも冬だと毛布を首元まで引っ張り上げなくてはならない。眠りとともに幽霊はどこかへ消える。朝目を覚ますと背後にはもう何もいないし、シーツにあとも残っていない。

ベッドに横になって目を閉じているだけとかだと、絶対に来てくれない。幽霊には狸寝入りがわかるらしい。眠るふりではやってこない。眠りたいのにどうしても寝付けないときにだけ来る。いつの間にか必ず背中に寄り添っている。

直接見たことがあるわけじゃないから、そういう霊的な体験の有無について人に尋ねられた時にはわからないって答えるけれど、でも幽霊とかそういう類のものがこの世に確かに実在することは知ってる。信じないわけにはいかない。幽霊とはほとんど友達のような関係で、その関係はこれからも続くと思う。