私は真珠


毎日一枚ずつ新しい布をまとうように、私の肉体は新しい色に更新される。でもその色は目に見えない。あたりが暗すぎるのだ。私自身でさえその色を目にしたことがない。洗われた卵のように澄みきった、滑らかな虹色の光沢がそこにあるはずなのに。いつかこの閉ざされた空間から解放され、その色が光を受け止める日がやってくるだろう。私は海底のように暗い場所で、その日を夢見ている。

長い時間が過ぎていった。あるとき、暗い空間に一筋の線が走った。線はゆっくりと広がっていった。まるで空間に亀裂が生じたみたいに、線の隙間から青っぽい色が覗いた。ほとんど黒と見分けがつかない暗い青色だったが、この暗黒の空間においては、それは紛れもなく色だった。何年も色など認識したことがなかった私の目には、その仄かな青色でさえほとんど眩しかった。光だ、と私は思った。そこに光がある。外の世界がそこに覗いているのだ。ついにここから出るときが来たのだ。
青色はどんどん領域を拡大していった。そのあとどうなっただろう?それだけでは終わらなかったはずだ。視界にさらなる変化が起こった。何か黒い影のようなものを目にした覚えがある。影は青い亀裂と私との間を阻むように目の前に出現した。そのあとの記憶はとぎれとぎれである。

とにかく確かなのは、今私がいる場所は、あの閉ざされた暗い空間ではない、ということだけだ。今いる場所もやはり暗いけれども、かつて私がいたあの場所とは暗さの質が違うように感じる。ここにはいくらか光があり、いくらかの形が認識できる。私は別の場所にいる。生まれてはじめて「余所」にいる。きっとあの影が私を引っ張り出したのだろう。そうとしか考えられない。でもあの影の正体はいまだに私は知らない。

そのあとも長い、不安な時間が続いた。その過程で、私はいくつかのことを認識したが、多くのことは、私の理解を越えていた。