小さな光

夜、引っ越してきたばかりの街を散歩していた。ひたすら高いところを目指して歩いた。階段や坂道を見つけるたびに登り、そしてついにこれ以上高くは登れないという地点に到達したとき、もう夜中だった。

僕はそのちょっとした丘の頂上から景色を眺めた。大きなスプーンで掬い取ったみたいに深くえぐれた土地の底に街がひっそりと沈んでいる。その暗い街並みの中に一つだけ小さな明かりが浮かんでいた。暗闇の中で僕の目に映るのはその光だけだった。見つめるうちに、僕はその光と自分とが見えない線でつながれているような気がした。僕は孤独だったが、まるでひんやりした大きくて柔らかい何かにもたれかかっているみたいな、奇妙に安らいだ気分でもいた。そして僕はこの新しい街を愛せそうな気がした。