偉大なる指導者の死

かつての指導者は今、牢獄に幽閉されている。首に金具を嵌められ、粗末な食料を与えられながら惨めな生を生きながらえさせている。全身の大部分の骨は砕かれ、まともな状態で残っているのは頭蓋骨の一部だけ。砕けた骨が肉や内臓に突き刺さったり、あるいは皮膚から飛び出したりしている。その状態でなお生きているのはほとんど奇跡だった。

多くの時間、男は気を失っていたが、ときどき意識を取り戻し、不可解な言葉を発した。ある高度に専門的な事柄についての言及であるようだったが、その言葉の内容も意味も人々には理解できなかった。その声は穏やかで、痛みや苦しみを滲ませてはいない。まるでどこかの録音装置が再生しているかのように自然な声だった。旧指導者がそうやってしゃべるたび、新たに苛烈な拷問が加えられる。男はいったんは口をつぐむものの、またしばらくすると何事もなかったかのような調子で言葉を発しはじめるのだった。

何日にもわたって同じことが繰り返され、しかし男は決して口を割ろうとせず、最後には拷問官のほうが疲れ果ててしまった。それ以上の拷問はもはや無意味だと彼らも悟った。男は町の外に広がる砂漠に捨てられた。

骨を砕かれ肉を裂かれ、痩せ衰え衰弱した死にかけのかつての指導者の頭上を、幾たびか太陽と月が行き交き、しかし男はその一切を感知することなく、目を閉じ、同じ姿勢で横たわったまま、生命の灯を静かに弱まらせていった。拷問官さえ怯えさせたあの生命力は、誰からも見捨てられ見放されてはじめて、少しずつ衰えていくようだった。