畳の床にはさまざまな模様や色が浮かびます。ときにそれは思いもよらない複雑な、無軌道な絵を描き出します。なぜそんなことが起こるのかは不明です。季節や天候、時間帯や曜日、気温や風向き、おそらくそうした要素が影響しているのでしょう。何にしても私の知性を超えた問題です。しかしそこに生ずる色や絵はどれも美しいので、私はただそのことで十分です。私は興味深い内装としてその現象をただ楽しみます。

今は日曜日の午後3時7分です。畳の床は金色をたたえています。まるで新鮮な蜜柑のような瑞々しい金色です。天国にある天上の蜜柑はきっとそんな色をしていることでしょう。私は金色の畳の上に寝そべりながら、その味を想像する。