下から眺める高速道路

都市の北部は工場や倉庫が多く立ち並ぶ工業地帯であり、道路は広く車線は多く、大型トラックが多く行き交う。そのあたりの歩道を歩くとき、僕はたいていいつも上を見上げている。頭上には高速道路が走っていて、それは曲線を描き交差しながらあちこちへ向けて伸びていて、その堅牢で複雑な構造を、下から観察するのは興味深く、飽きることがない。僕は歩きながらカッコイイ……、とか、ウツクシイ……、とかひとりでつぶやいている。ときどきその景色を見るためだけに、僕は電車に乗ってその街を訪れるのだった。