呪われた僕の子供に

母体を脱してすぐ、ほとんど泣くこともなく目を見開き、あちこち視線をさまよわせていた。それは人が何かを思い出そうとするときの目つきに似ていた。彼は覚えているのかもしれない、かつて自分がいた場所のこと、生まれる以前に自分が属していた世界のことを。その風景を懐かしんでいるのだ。それはきっと、僕にも見覚えのある風景であるはずだった。
ある理不尽な、抗いがたい力によって、半ば強制的に彼はこの世界に産み落とされた。彼は順応できるだろうか、この場所のありように、耐えられるだろうか?それとも最初から、そんなことは望まずに生きるのか。
ひどく衰弱していた母親は、出産の後、赤ん坊の顔を見ることもなく死んでしまった。きっと彼女にとってはそのほうが幸せだっただろう。