公園で


公園で女がブランコで遊んでいた。マシュマロみたいに肥っていて、どう見ても一人でブランコで遊ぶのが似合うような年齢の女ではなかった。つまり子供ではなかった。しかも女はときどき一人で声をあげて笑ったりした。彼女の重い身体を乗せたブランコの金具が、激しく軋む音を立てて、それは公園中に響いていた。人々は誰も彼女に干渉しなかった。もちろん僕も。しかしこうした光景は、下関では特に珍しくない。